騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「首謀者は、俺の失脚。あわよくば俺を貴様に処分させ、更には現王立騎士団を潰そうとでも考えていたのだろう」
「ハ……ッ、そこまでお見通しなら、その首謀者の目星もついているんだろう? 俺と同じく、お前を恨んでいる人間を……」
痛みに顔を歪めながら、今の今まで黙りこくっていた男が視線を上げた。
(男と同じく、ルーカスのことを恨んでいる人?)
王宮内に、そんな人がいるなんて……。それこそ、宮内の秩序を乱す、大きな問題に成りかねない。
「お前の"黒い"噂は、聞いたことがあったが……。まさか、本当のことだったとはな」
「…………」
「あのお方は、よほどお前を脅威に感じているらしい。俺に散々、ボヤいていたよ。お前さえいなければ、王宮内は平和だったのに……と。"オリヴァーは心置きなく、国王としての地位を絶対的なものとしておけるのに"……って、憐れになるほどな」
「オリヴァー陛下……?」
男の口から飛び出した、オリヴァーの名に、ビアンカの心が大きく揺らいだ。
まさか、今回のことにオリヴァー国王が関係しているとでもいうのだろうか。
そんな……有り得ない。あの、穏やかで心の優しそうなオリヴァーが、弟であるルーカスを恨んでいるなんて。
「俺をこの城に引き入れたあの方は……鴉、お前だけじゃない。鴉の姫君も、ついでに殺せと俺に命じた」
「え……」
「二人とも殺せたら、報酬は二倍にする、と。……まぁ、お前のことだから、どうせその辺の調べもついているんだろう?」
乾いた笑いを零した男は、淀んだ目で、ビアンカを見上げた。
一瞬目が合ったビアンカは思わず肩を強張らせたが、そんな彼女の身体を隣に立つルーカスが引き寄せ強く抱き締める。