騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
 


「だから私は、どうなろうともきっと、あなたのことを好きになった」


ルーカスに捕えられてしまえば──彼の溢れんばかりの愛に触れたら、きっと、どんな立場にいようと彼を好きになっていた。

そんな確信が、今のビアンカにはあるのだ。


「だから、私はこれからもルーカス以外の男の人は好きになれない!」

「…………」

「ね? だから、もう怒らないで。今は、私をギュッとしてて。私のこと、離さないで……」


──怖かった。

だから今は、私だけを見て。

そんな精一杯の願いを込めて、ビアンカはルーカスの身体に腕を廻した。

……ダラム国王の時は、素直に伝えられなかったけど。

そのせいで喧嘩にもなってしまったから、今度は正直な気持ちを伝えたい。


「…………」

「ルーカス?」

「…………」

「ルーカス……?」


けれど、ビアンカの言葉にルーカスは黙り込んだまま、返事をしてはくれなかった。

(もしかしてまだ、男を庇ったことを怒っているのかな……)

と、不安になったビアンカが、ルーカスの顔を覗き込んだ、瞬間。


「……っ」


突然、その綺麗な顔に、パッと優しい赤が散る。

次の瞬間、ルーカスは自身の手の甲で口元を隠すと、ビアンカから視線を逸らしてしまった。

 
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