騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
 


「申し訳ありません。今のは悪い冗談でした。ですがルーカス様が今、一連の出来事の後処理でお忙しいのはビアンカ様もご承知の上でしょう? 夜、帰ってこられないのも任務が立て込んでいるせいだと、ジェド様が直々に説明に来られたではありませんか」


そうだ。アンナの、言う通りなのだ。

セントリューズを揺るがす大事件のせいで、オリヴァー国王陛下を始めとして、王弟であり王立騎士団長を務めるルーカス、そして王立騎士団と王宮内はこの一週間落ち着かなかった。

特にオリヴァーとルーカス、そして騎士団については事後処理のために毎日忙しく動いている。

二度と、今回のような失態があってはならない。

そのために王太后と前宰相アーサーはもちろんのこと、ビアンカを攫ったアストンの元将軍、その元部下やアストン国を含め、関連する人間たち全てを調べ上げるという周到さだ。

言葉にすると簡単で、当然といえば当然のことなのかもしれないが、その全てを指揮するルーカスの忙しさがどれほどのものなのか、さすがのビアンカにも想像がつく。

 
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