騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「……ルーカス」
「うん?」
「ルーカス……」
「ああ」
「ルーカス……っ」
「なんだ」
「ルーカスってば……!」
「……焦らすなよ」
ベッドの上に寝転ぶビアンカの上に覆い被さって、あっという間にビアンカのネグリジェへと侵入したルーカスの手を、ビアンカは慌てて押し止めた。
いやいや、今は久しぶりの再会を喜び合うところでしょう!?
確かに気持ちはわかったけれど、あまりにも手が早すぎる……!
愛しい肌を堪能しようとしていたところを制されたルーカスは、不満そうに眉根を寄せている。
「また、生殺しにする気か?」
「そ、そういうわけではなくて……! 先に、ルーカスに、聞きたいことがあるの!」
「聞きたいこと? そんなもの、あとでいいだろう」
「ダ、ダメ……! 今聞かなきゃ、また、聞くタイミングを逃しそうだから……!」
「それは一週間ぶりに肌を重ね合うことより、大事なことなのか?」
「あ、当たり前でしょう! というか、もう……っ。お願いだから、少しだけ待って……!」
ビアンカの足の間に割って入らんとしていたルーカスの胸を、なんとかして押し返せば、ルーカスはようやく観念したようにビアンカを組み敷いたまま息を溢した。
相変わらず、不満そうだけれど。とりあえず、話は聞いてくれるみたいだ。