騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
 


「そして、星夜に愛を確かめ合った二人は、永遠に幸せになれるという古くからの言い伝えもあって……」

「永遠に、幸せに?」

「はい。二人で星の輝く夜に、愛を語り合いながら互いに花を贈ります。だから一年でもこの日が一番、恋人たちが盛り上がるとも言われています」

「やっぱり、とても素敵なお祭りね……」


ジェドの話を聞きながら、頬を赤く染めたビアンカは、自身の夫であるルーカスの姿を思い浮かべた。

王宮内の、ルーカスとビアンカが過ごす部屋の中。

肝心のルーカスは朝から職務のために出てしまって不在だけれど、もし……その祭りにルーカスと二人で参加できたらどれだけ楽しいだろう。

星の輝く空の下で、愛を語り合い花を贈る……。

ルーカスは毎夜、ビアンカに甘い言葉を囁いてくれるものの、それとこれとは話が違う。……というのが、恋する乙女の乙女心というものらしい。

 
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