騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「本当……?」
「ああ」
「嬉しい……ずっと、ルーカスとゆっくりとした一日を過ごしたいと思っていたから……」
温かい腕の中、美しい顔を見上げながらビアンカが微笑むと、ルーカスはそっと、目を細めた。
全てを見透かすような、透き通った瞳。
吸い込まれるようにビアンカが彼に魅入っていると、突然、彼女の身体が宙に浮く。
「ひゃ……っ、ル、ルーカス!?」
「散々煽った、お前が悪い」
「え…………ええっ!?」
「お前の望み通り、これから朝まで愛を確かめ合おう」
当然だろうとばかりに言ってのけたルーカスを前に、ビアンカは返す言葉を失った。
(煽った……って、私、煽ってなんか、いないんだけど……!)
「星夜に愛を確かめ合った二人は、永遠に幸せになれると言われているらしいしな」
「え……」
「たまには、先人たちの残した言い伝えを信じてみるのもいいだろう」
ビアンカの身体を抱え上げたまま、真っ直ぐにルーカスが向かったのはベッドだった。
……確かに、星夜の言い伝えはそうだけれど。
ビアンカの記憶が確かであれば、"朝まで"という言葉はどこにも出てこない。