騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「ちょ、ちょっと待って、ルーカス……!」
「待てないと言ったら?」
「で、でも待って、ホントに……」
「無理だ、待てない」
「っ!」
言葉と同時、ビアンカが降ろされたのは広いベッドの上だった。
ギシリ……と唸るスプリング。白いシーツの上に波打つブロンドの髪、ビアンカの身体を組み敷くルーカスは黒いコート脱いでベッドの下へと無言で落とした。
「今すぐ、お前が欲しい」
熱く、甘い言葉を耳元で囁かれ、ビアンカの身体が再び甘い熱を持った。
これから二人で愛を語り合う。けれどそれは言葉だけではなく、間違いなく身体と身体で語り合おうということで……。
「で、でも私は、ルーカスのために花を用意してないし……」
恥ずかしさから、ビアンカはほんの少しの抵抗を試みた。
「言い伝えでは、愛を語り合いながら互いに花を送らなきゃなのよね? 私……今日はルーカスに会えないとばかり思っていたから花は用意していないし……それじゃあ、言い伝えの通りにはならないんじゃ……」
と、ビアンカがそこまで言ったところで、ルーカスの人差し指が花に止まる蝶のように、彼女の桜色の唇に触れた。
ビアンカが思わず目を見開いて固まると、今度はルーカスがそっと口を開く。