騎士団長は若奥様限定!?溺愛至上主義
「だとしたら、国王陛下が真実を伝えることを躊躇するのも当然かと。花好きな優しい青年と王立騎士団の騎士団長とでは、イメージの差がありすぎます」
「……だ、だからって、二人して黙っているなんて酷いっ!! こんなの詐欺よ、酷すぎるわ……!!」
叫んでから、「うわーん」と子供のような泣き声をあげたビアンカは、背後に置かれていたベッドへと突っ伏した。
絹のように柔らかなブロンドの髪が、波打つように真っ白なシーツの上に広がる。
華奢な肩は震え、ヒックヒックと嗚咽まで聞こえてきたから、流石のアンナの胸にも罪悪感が滲んだ。
……こうなることがわかっていたから、ノーザンブル国王はアンナをビアンカ付きの侍女として一緒に送り出したのだ。
幼い頃からビアンカに仕えていたアンナであれば、嫁ぎ先で何かあってもビアンカが心強いだろうと思って。