強引社長といきなり政略結婚!?

これからいよいよパーティーに足を踏み入れるのかと思うと、背筋が伸びる思いがした。
朝比奈さんの会社関係の人もたくさんいるだろう。なによりも気がかりなのは、朝比奈さんのおじい様、コンラッド開発の会長がいるんじゃないかということだ。
この前の態度からして、私が歓迎されていないのは明らかだったから。
私が朝比奈さんと一緒にいるのを見て、どんな顔をされるのか嫌でも不安になる。

私が緊張していることが伝わったのか、朝比奈さんは「そんなに硬くならないで」と髪の毛に軽くキスをした。

エレベーターで十五階まで上がり、会場の扉の前に立つ。


「みんなに汐里のことを紹介するから」


ドアを開ける寸前に朝比奈さんが言う。


「ちょっと待ってください。それってつまり……」

「フィアンセですってね」


朝比奈さんがウインクする。


「その前にひとつ聞きたいことがあります」


ここ数日間、抱いていた疑惑を思い切って聞こうと思った。

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