強引社長といきなり政略結婚!?

私は完全に、朝比奈さんの虜になってしまったのかもしれない。

そうして彼のことを見つめていると、突然、私の視界を塞ぐように人が立ちふさがった。
ごく自然に目線を上げていった私は、顔に焦点が合ったところで座ったまま飛び上がる思いがした。


「そなたがどうしてここに?」


慌てて立ち上がり背筋を伸ばす。
朝比奈さんのおじい様だったのだ。
不快そうに感じるのは、私の思い込みだけじゃないはず。うぐいす色の羽織袴が、やけに威厳たっぷりに見える。


「あ、あの……」


おじい様の醸し出す空気に圧倒されて、言葉が出てこない。


「一成はどこへ行った」


そう尋ねられて私が視線を横へずらすと、おじい様はそちらを振り返った。


「一成!」


名前を呼ばれてこちらを向いた朝比奈さんは、グラスをふたつ持ったまま早足で戻ってきた。
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