強引社長といきなり政略結婚!?
「会長、今日こちらへは来られないと聞いていましたが……?」
「急きょ、予定変更じゃ」
おじい様がそう言いながら、「おいでなさい」と私たちのいるほうとは反対へ手を振る。
なんだろうかと見ると、着物姿の女性が静々と近づいてきた。線の細い、目鼻立ちのはっきりとした美人だ。
なんとなく嫌な予感が背筋を駆け抜ける。
「こちらは、峰岸綾香(みねぎし あやか)さんだ」
おじい様が紹介すると、彼女は「綾香です」と美しいお辞儀をした。可憐な声だった。
「一成の嫁にと考えとる」
えっ……。朝比奈さんのお嫁さん……?
突然のことに頭が追いつかない。私は地面に刺さった棒のように突っ立ってしまった。
「会長! なにを突然!」
私の隣に立つ朝比奈さんがとっさに遮る。