強引社長といきなり政略結婚!?

「一成もそろそろ身を固めたほうがいいだろう」

「だから、こうして汐里を――」

「わしゃ、認めとらん」


朝比奈さんに対してというよりは、私に言っているようだった。
おじい様の鋭い視線が私を射抜く。反論する気を根こそぎ奪うような目だ。


「ったく、勝手に決めおって」


不愉快そうに言う。


「一成の嫁は、綾香さんと決めたのじゃ。ささ、一成、ふたりで会場を回って挨拶をしてきなさい」

「会長!」

「そなたは帰ったほうがよかろう。さあ、綾香さん、一成と行ってきなさい」


私に向かって険しい表情をしたあと、柔らかい表情へくるりと変えて彼女に言った。

日下部さんが言っていたのは、このことだったのかもしれない。
彼が言っていたことを思い出した。『離れざるを得ないことが起こる』と。

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