強引社長といきなり政略結婚!?

赤信号で車が停まる。
うしろからは変わらずライトが私たちを照らし付けている。


「よし、信号が青になったら振り切るぞ」


浩輔くんがそう言った時だった。
突然、私たちの前に両手を広げて人が立ちはだかる。

――え、なに?

浩輔くんの車のライトに照らしだされた顔に目を凝らす。

嘘、朝比奈さん!?


「どうして……」


彼の突然の登場に言葉を失くす。
浩輔くんからは大きなため息が聞こえた。
助手席のほうへ回り込み、朝比奈さんが窓をノックする。


「汐里、降りて」


まっすぐ見つめられ戸惑った。


「どうする? 汐里」


浩輔くんから聞かれ、ふたりの視線の狭間で揺れ動く。

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