強引社長といきなり政略結婚!?
朝比奈さんと朝までここで……。
そう考えると、再び心拍数が上がっていく。
そしてなによりも、父も母も、私たちの結婚を望んでいることが嬉しい。
朝比奈さんは私に軽いキスをすると、「シャワールームを案内するよ」と立ち上がる。
羽織るものがなにもなくあたふたしている私に、朝比奈さんは自分が着ていたシャツを肩にかけてくれた。
「そうだ、その前に汐里にひとつ忠告がある」
いったいなにを言われるんだろう。
忠告という言葉が体をこわばらせる。
「たった今の時間から、俺のことは“一成”と呼ぶこと」
「突然どうしたんですか?」
「ずっと腹立たしかったんだ。西野のことは名前で呼ぶくせに、なんで俺は名字なんだって」
思わずクスッと笑ってしまった。
「――なんだよ」
朝比奈さんが腹立たし気に言う。