強引社長といきなり政略結婚!?
「それから、藤沢ゴルフ倶楽部を傘下に収める話も順調に進んでおりますので」
「――なに?」
おじい様は眉をピクリと動かし、腰を浮かせた。
「どちらも、決定権は私にあると思っておりますが、違いますか?」
そこまで言わなくても……とも思ったけれど、ここで私が弱気になってはいられない。
一成さんを応援するつもりで、その横顔を一身に見つめた。
「それなら、どうしてわしにその娘を会わせたりするんじゃ。わしの意見を聞くつもりがないのなら、こうしている意味はひとつもない」
おじい様のこめかみがピクピクしているのが、傍目からもわかった。顔色もさっきより悪く見える。
「会長に反対されたまま結婚するわけにはいかないじゃないですか。汐里さん以外の人との結婚は考えていません。ですが、会長にも祝福してほしいんです」
一成さんは切実に訴えた。