強引社長といきなり政略結婚!?
再び静かになったリビングは、どことなく空気が柔らかくなったように感じる。
一成さんとおじい様はお茶をすすりながら、どう切り出そうかと牽制し合っているように見えた。
「それじゃ、こうしよう」
最初に口を開いたのはおじい様のほうだった。
「わしと綾香さんと、そこの娘――」
「汐里さんです」
一成さんが言い直すと、おじい様は不快そうに顔を歪めてから「汐里さん」と言い換えた。
「三人でゴルフ対決じゃ」
「はい!?」
これには一成さんも私も、顔を突き出し目も見開く。
ゴルフで対決……?
「わしと綾香さんにゴルフで勝つことができたら、その時は一成の嫁として認めよう」