強引社長といきなり政略結婚!?

これでも、ゴルフ場を経営する父親を持っているのだ。小さなころからゴルフは身近なスポーツだった。スコアもそこそこだと自負している。


「ただ、簡単に勝てると思ったら大間違いじゃぞ。わしはともかく、綾香さんはセミプロじゃ」

「……え?」


……セミ、プロ?
嘘……。

この前のパーティーの時に見た彼女の姿を思い浮かべる。
いかにも可憐なお嬢様という感じにしか見えなかったのに。あの彼女がゴルフのセミプロだなんて……。

でも、やめるわけにはいかない。
うっかり安請け合いしたことを後悔しそうになる一歩手前で、なんとか踏みとどまった。


「会長、やはりそんな対決は――」

「一成さん、大丈夫です。私、やりますから」


彼を制止した。
相手がセミプロだろうが、やってみなくちゃわからない。やる前に諦めることはしたくない。

< 286 / 389 >

この作品をシェア

pagetop