強引社長といきなり政略結婚!?
「おじい様、どうぞよろしくお願いします」
「……うむ。よかろう。それじゃ早速じゃが、明日にしよう」
「――明日ですか!?」
思わず甲高い声で聞き返してしまった。
一成さんは声も上げられないほど驚いたようだ。
「モヤモヤした気分で何日も過ごすのは好きじゃない。決め事はスパン!とすぐに片づけるに限る。ゴルフ場の手配は日下部にさせるから、汐里さんはゴルフバッグと身ひとつで来ればよろしい」
おじい様は少し嬉しそうな様子であれこれと算段し始める。もしかしたら、この状況を楽しんでいるのかもしれないと思ってしまった。
「明日は大事な会議がありますので週末にしていただけませんか?」
「この勝負に一成は出るわけじゃないんだから、別に構わんじゃないか。なぁ、汐里さん」
きっと、ここで私が心細がって『一成さんの言うようにしてください』なんて言ったならば、対決自体をないことにされてしまうだろう。そうなれば、一成さんとのことを認めてもらうチャンスがなくなってしまう。
「私ひとりで大丈夫です」
決意を持って強く言ったのだった。