強引社長といきなり政略結婚!?

◇◇◇

真紀さんに玄関で見送られ、一成さんの車に乗り込む。
明日の場所と時間は、あとから日下部さん経由で私のスマホに連絡が入ることになった。


「明日、本当に大丈夫?」


心配そうな彼の横顔に「はい」と返す。
本音を言ってしまえば大丈夫じゃない。でも、そうして不安がったところでどうにもならないのだ。


「勝てるかどうかは、正直に言って自信はないけど……。でも、がんばります」


一週間くらい猶予があればよかったけれど仕方ない。
今日は早く帰って、明日に備えてクラブの手入れをしなくては。ここしばらくラウンドも行っていないから、軽く素振りもしておこう。


「汐里にだけがんばらせることになって申し訳ない」

「私だけじゃないですよ。一成さんは、孝志おじさんのことがあったじゃないですか。だから、今度は私の番」


私だって、のんびりと待っているだけにはなりたくない。

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