強引社長といきなり政略結婚!?
毎日忙しそうだ。藤原ゴルフ倶楽部を傘下に収めるともなれば、その処理でさらに忙しくなるだろう。
そうこうしているうちにコンラッド開発本社が見えてきた。午後の太陽の光が窓ガラスに反射して、全体的にキラキラと光って見える。数えてみたら、地上七階建てだった。とても立派な社屋だ。
右端にある大きな石には、社名が彫り込まれていた。さすがはゆかりちゃんが憧れた企業だけはある。
隅のほうに自転車を停め、いざ中へ。
ガラスの自動ドアを抜けると、二階付近までの吹き抜けが解放感たっぷりだった。
目の前には受付。ベビーピンクの制服を着た女性がひとり、私を見て「いらっしゃいませ」と頭を下げる。
コーデュロイのパンツにピーコートという普段着の私は、場違いに思えた。
とりあえずぐるぐるに巻いたマフラーを外し、「こんにちは」と挨拶をする。
「朝比奈社長にお会いしたいのですが」
私がそう言うと、受付の女性は激しく瞬きを繰り返した。私のような女が、社長にいったいなんの用事なのかということだろう。いわゆる不審者だ。
「あの、失礼ですが、どちらさまでいらっしゃいますか? お約束はされていますか?」