強引社長といきなり政略結婚!?
「うんうん、やっさんの言うとおりだ。そんなんじゃ嫁のもらい手もなくなるってもんだ」
いつもちょっとしたことで言い合いをしているくせに、ふたりが突然結束を強める。
言いたい放題だ。
でも、嫁のもらい手なら、とっくの昔になくなっている。今さらどうにもならない。父の持ってきた縁談は、ことごとく失敗に終わっているのだ。
私のことを深窓の令嬢と思ってお見合いを受けてみれば、それは見た目ばかり。気が強くお転婆だということが初デートで即ばれて、たいがいはそのあとに断りの連絡が入る。
かといって、今さらこの気性が直るわけでもない。軌道修正するならば、結婚を諦めるほうが簡単というわけだ。
こうしてせっせと働いているのは、父の会社を助ける、いわゆる政略結婚ができないかわりの罪滅ぼしの意味もある。
「汐里ちゃんもさ、もっと男に隙を見せたほうがいいぞー」
「――ひゃっ!」
今度は私のお尻まで触ったものだから、とっさにその手を掴んで捻り上げた。
「イテテテテ!」
お客が苦悩に顔を歪める。