熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
優月に遮られて、私は返事に窮した。
『そんなことない!』と言い返すのは簡単だけど、確かに優月の言う通りのような気がする。


『優月の『浮気』を知っても、なんとも思わなかった』

『怒ってないの。そこを責めるつもりもない』


私は優月に確かにそう言った。
それは『無関心』以外に、どう聞こえたんだろう。


「……ごめ……」


今更申し訳ない気分になって、私は首を縮めながら謝ろうとした。
それを優月が「いいよ」と止める。


「だから、急かさないって言った。綾乃が俺にちゃんと恋をするまでは、俺が暴走したら怖がらせるだけ。綾乃は簡単に『欲情』って言葉使ってくれるけどさ。……多分俺、綾乃を怖がらせる、ただの獣になるよ」


優月はちょっと言い辛そうに言葉を濁し、わずかに頬を赤らめて私から目を背けた。


「えっ……」


とても際どいことを言われた気がして、胸がドクンと大きな音を立てた。
どこかの窓が開いているのか、廊下には少しひんやりした空気が漂っているのに、私の身体も顔も何故だか熱く火照り出す。


「……でも、綾乃のヤキモチ、嬉しかったから」

「ゆ、優月……?」

「だから……綾乃、目閉じろ」

「え?」


聞き返す私の前で、優月は照れ臭そうに目を伏せた。


「早く」

「あの、優月?」

「いいから」
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