熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
「ユヅキにはアヤノに突き飛ばされたって言ったけど、どうして自分で説明しないの。私が先に意地悪して手を出したから、アヤノはそれを振り払っただけでしょ。……それにユヅキだって、あなたがそんなことするはずないって思ってるわよ」


ちょっと不貞腐れているようなマリーさんの言葉を胸に刻んで、私は一度大きく息を吸った。


「私だって、意地悪されたことはもちろんわかってます。……でも多分、ちょっと前までの私なら、あんなに感情的にならなかった。だから、やっぱりマリーさんの怪我は私のせいなんです」


私の返事を聞いて、マリーさんは訝し気に首を傾ける。
私はドアから背を離し、思い切って彼女に近付いて行った。
私から視線を離さずにいるマリーさんの顎が、徐々に上向くのがわかる。


「それと……感謝です。マリーさんは、私に嫉妬させてくれたから」

「嫉妬?」

短く聞き返すマリーさんが、意味がわからないと言うような怪訝な表情を浮かべる。
私は彼女の傍らに立って、大きく頷いて見せる。


「マリーさん。私、パーティーの時も言いましたけど、今まで本当に優月とは許嫁というだけで、その……恋という感情すら抱いてなかったんです」


思い切って口を開き、ゆっくりはっきりした日本語でそう告げた。


「聞いたわよ」


マリーさんは、シレッと素っ気なく返事をしてくる。
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