公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
彼女は焦げ茶色のまっすぐな髪のサイドを編み込み、造花の髪飾りをつけていた。
フリルのたくさんついたレモン色のドレスがよく似合う。
その胸元の膨らみは控えめで、つぶらな瞳と丸い鼻が特徴的。
美人ではないが、愛嬌のある可愛らしい顔立ちをしている。
資料には社交的で活発と書かれていたが、それに幼いという印象を加えたい。
私と同じ十八歳なのに、明るく笑うその顔はあどけなさを残していた。
少女と呼びたくなるようなディアナ嬢に接して、チクリと胸に痛みが走る。
こんな子を花嫁候補から突き落とさねばならないなんて……。
同情しかけた気持ちを消してくれたのは、他ならないディアナ嬢。
彼女の目の前には皿が三つも並んでいて、どれも少しだけ手をつけて残している様子。
食べられないのなら、取り分けてもらうなと言いたい。
この世に飢えて死ぬ者がいることについて、きっと彼女は考えたことさえないのだろうと、侮蔑の感情が湧き上がった。