公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
さて、どのように攻めようかしら……。
フローレンス嬢に用いた手法は使わないことにする。
先ほど、ジェイル様に俺の評価を落とすなと、小言を言われたことを気にしたからだ。
攻め口を模索して、食事をしながら彼女に話しかける。
「ディアナさんは、なにがお好きかしら。日中はレース編みや読書をして過ごされているの?」
すると彼女は口の横に片手を添えて顔を少し私に近づけ、「レース編みは苦手なの。内緒にしてくださいね」と、クスクスと笑いながら打ち明けた。
楽しそうに話し続ける彼女は、趣味は乗馬で木登りも好きだというお転婆ぶりも、こっそりと教えてくれる。
弟と遊んであげるつもりで始めた庭での探検ごっこでは、土を掘り返して古い硬貨や錆びた短剣を見つけ、自分の方が夢中になってしまったということもあったそうだ。
ジェイル様とペラム伯爵は、議会や王都の政情について話していて、夫人は長男の世話に忙しそう。
しかし、貴族令嬢らしからぬ彼女の内緒話に、「まぁ、探検ごっこを!?」と私がわざと大きな声を出して驚いてみせたら、皆の視線がこちらに向いた。