公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
「クレアがやきもちを焼くからだろう。こうでもしないと、お前の機嫌が直らんと思ってのことだ」
やきもち……私が?
鼓動が急加速し、心が乱される。
恋心などくだらないと思っている私が、ルイーザ嬢にやきもちを焼く必要がどこにあるというの?
それは違うと言いたいが、ジェイル様のリードで紫色のドレスがひらひらと舞うたびに苛ついたのは事実で、その理由を自分では見つけられずにいた。
もしかして私は……。
体の距離を戻した彼は、ニヤリと笑って私の感情を読み取ろうと目の奥を覗き込んでくる。
悟られまいと目を逸らしても、動揺と頬の赤みは隠せそうになかった。
「やめてよ……。私に恋は不要だわ。おかしな暗示にかけないで」
「俺はなにもしていないぞ。お前が勝手に俺に惹かれ始めているだけだろ」
「違うわ!」と声をあげた直後に息を飲んだのは、麗しきその顔が急に距離を詰め、唇が触れたからだ。