公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~

「嬉しいわ、クレア! あなたとお友達になれた私は幸運ね。ありがとう!」


ひとしきり喜んだ後に彼女は腕を外し、なぜかばつの悪そうな顔をして「ごめんなさいね」と謝ってくる。


「どうして謝るの?」

「私、実は……舞踏会であなたが言った言葉を信じ切れずにいたの。オルドリッジ公爵とクレアが、その……キスしているのを見てしまったから」


信じ切れずにいた言葉とは、『身の引き方を心得ている』という発言のことだろう。

私はライバルではなく、ディアナ嬢の恋を応援するようなことを言った記憶は、まだ新しい。

キスを見られたことに関しては、私の計画にはなかったことで、『余計なことをしてくれたものね』とジェイル様に文句を言いたい心持ちでいた。


けれど、それくらいごまかせない私ではない。

私たちのキスシーンを目撃した衝撃を思い出したためか、不安そうな顔になってしまったディアナ嬢。

そんな彼女に言い聞かせるように、ゆっくりと語りかける。
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