公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
「そういえば、ディアナはお転婆だと教えてくれたわよね。実は、私もそうなの。子供の頃は畑仕事もしたし、丘を駆けていたわ。大人になってからも、毎日のように丘に登っていたのよ」
丘というのは、孤児院の立つ丘のこと。
彼女のお転婆ぶりとはかなり毛色が違うけれど、貴族令嬢らしからぬ行動を取るという点は一致しているので、そう言った。
畑仕事には首をかしげたディアナ嬢だったが、理解できないからかそれには触れず、「私も見晴らしのいい丘は大好きなの!」と、嬉しそうに言った。
「高い場所は気持ちがいいわよね。私も馬に乗って、丘を駆けることがあるわ。お父様に叱られてしまうから、こっそりとね」
「そう。ディアナは馬に乗れるのね。すごいわ。私は乗馬の経験がないの。馬車の前に飛び出したことならあるけれど」
ジェイル様に用事があって、彼の馬車を止めたことがあると話したら、ディアナ嬢は目も口も大きく開いて盛大に驚いていた。
その愉快な表情に思わずプッと吹き出して笑ったが、気持ちはすぐに黒い企みの中に戻される。