公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
褒められて照れくさそうに微笑む彼女は、私が内心、愚かに思っていることなど、微塵も気づいていないだろう。
玄関で侍女を帰しておいてよかった。
あの侍女はきっとお目付役で、ディアナ嬢のこういう性格を心配して付いてきたと思われる。
もし彼女が同席していたなら、よその屋敷で宝探しなど、とんでもないと反対されることが想像できた。
お転婆でもいいと私に煽られ、かつ注意してくれる者のいないディアナ嬢は、この遊びをやる気満々な様子。
カードを手にすっくと立ち上がると、「ねぇ、最後のお宝ってなにかしら?」と、ワクワクした顔を向けてきた。
私の目線は、彼女からテーブルの上に移動する。
そこには半分ほど手をつけた焼き菓子の皿がある。
残すつもりでいることに怒りを覚えつつも、怯えさせないよう、笑顔を浮かべたままで言った。
「まずは、あなたのために用意したお菓子をすべて食べてもらえるかしら。残されると心が痛いわ。食べ終えたら、教えてあげる」