公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
絵の通りね……と、オズワルドさんに感心していた。
今回の企みの計画を立てたのは私だが、カードの絵のすべてはオズワルドさんが描いてくれた。
というのは、私が描いた絵に、ジェイル様が驚き呆れて文句をつけてきたからだ。
『これが絵皿だと言うのか? トマトを踏みつけた靴底かと思ったぞ。クレアは天才的に絵が下手だな。お前が描いてもなにか分からないから、オズワルドに任せておけ』
そこまでひどいのかと恥ずかしさに顔を熱くした私だが、下手なのは仕方のないこと。
これまでに絵を習ったことなどもちろんなく、遊びで描いたこともない。
ゴラスで絵の具は高級品で、触れたことさえなかったのだ。
オズワルドさんのお陰でカードには、誰が見てもなにかが分かる絵が描かれている。
しかし、ディアナ嬢はこれまでと違い、どうしていいのか分からないといった様子で、うろうろと歩き回っていた。
描かれているのが絵皿や壺ではなく、寝室の全体図だったからだろう。