公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
「困ったわ。私宛てのお手紙は、どこにあるのかしら?」
たどり着いた最後の部屋にある宝物とは、ディアナ嬢に対する彼の気持ちだと説明してある。
それを自分宛ての恋文だと勘違いしている彼女は、机の上やテーブルの下を覗き、ありもしない手紙を探していた。
クスリと笑った私は、ドアを大きく開けて、廊下から彼女に呼びかける。
「すごいわ、ディアナ。制限時間以内にこの部屋にたどり着いたのね」
パッと振り向いて私を見た彼女は、眉をハの字にかしげて、小走りに駆け寄ってくる。
「ええ。最後の部屋にはたどり着いたけど、お手紙が見つからないのよ。部屋のどこを探していいのか……難しすぎるわ」
「宝探しというのは、徐々に難しくなっていくものでしょう? 分かりづらくて当然よ」
彼女の文句を軽くあしらった後は、励ましと助言を与えてあげる。
「難しくても賢いディアナなら、きっとジェイル様の心を見つけられるわ。頑張って。キャビネットや引き出しの中、本の間かもしれないわね。それとも……ベッドの毛布の中かしら?」
ベッドという言葉を強調するように言ったら、ディアナ嬢は後ろに振り向いた。
「あの、この部屋、もしかしてオルドリッジ公爵の寝室ではないのかしら? ベッドの中を調べるのは、ちょっと……」