公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
正解しているのかは分からないが、筋は通っている。
有力貴族の娘ではなく、家も土地も失い、普通の町娘よりも貧しい生まれ育ちの私を欲しがる理由が分かった気がして、複雑な心境にさせられていた。
ジェイル様が私に想いを寄せているとは、微塵も思っていなかったはずなのに、なぜ胸が痛むの。
おかしいわ……。
しかし、ゆっくりと思い悩んでいる暇などなく、ジェイル様の寝室の前に着いてしまった。
今は、ディアナ嬢を始末することに集中しなければ。
そっとドアノブを回して中を覗くと、部屋はひどい荒れようだ。
キャビネットの中にあった衣類は取り出されて床に散乱し、書棚の本も散らばっている。
もちろんそれは、私がキャビネットや本の間も探すように言ったことが原因で、制限時間まで僅かだったから焦りのあまりの惨状ということだろう。
こちらの予定通りだ。
そして強調しておいた、ベッドの毛布の中かもしれないという言葉に、ディアナ嬢の膝が今、ベッドの上にのったところ。
最初はベッドの中を探すことに戸惑っていた様子の彼女だったが、どんなに探しても手紙が見つからないことで、もうここしかないと意を決した様子だった。