公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~

クスリと笑ってドアを静かに閉める。

オズワルドさんに振り向いて「打ち合わせ通りにお願いします」と言うと、彼は不本意そうな顔をしながらも、仕方なく頷いていた。


私はこの場を離れて廊下を小走りで引き返し、階段へ。

すると、後ろにバタンと勢いよくドアを開けた音と、「なにをしておいでですか!」と咎めるオズワルドさんの大声が聞こえた。

「ジェイル様、見つけましたわ!」と私は階下に向けて声を張り上げ、すぐにふたり分の足音が聞こえて、ジェイル様とペラム伯爵が駆け上がってきた。

ペラム伯爵が血相を変えている理由は、ここに来るまでに、応接室の割れた絵皿や、傷つけられた大広間の絵画などを、ジェイル様に確認させられたからだ。

そして「ジェイル様の寝室に」と言った私の言葉に、絶句していた。


三人で寝室に急ぐと、そこではオズワルドさんに怒鳴られて、驚きのあまりに動けずにいるディアナ嬢が、まだベッドの上にいた。

四つん這いの姿勢で毛布を片手で捲り、そのまま固まっている姿は滑稽以外、言い表しようがない。


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