公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~

「ディアナ! お前は一体、なにをしているのだ!」とペラム伯爵の怒鳴り声が響く。

厳しい表情の男性三人に取り囲まれた彼女は、驚きに怯えを混ぜたような顔をしているが、まだ事態すべてを把握しきれていないみたい。

寝室に入らずに、開け放たれたドア前で立ち止まっている私に、「クレア!」と呼びかけ、助けを求めてくる。


「お父様もオルドリッジ公爵も、なにかを勘違いしていらっしゃるわ。クレアから、説明してあげて!」


彼女の必死の求めに、私は冷たく言い返す。


「もう説明しました。ディアナさんが屋敷の中で隠れんぼを始めた話を。まさかジェイル様の寝室に隠れているとは思いもしませんでしたわ」

「隠れんぼですって!? 私はーー」


話が違うと反論しようとした彼女だが、その言葉は遮られてしまう。

ペラム伯爵が娘の頬を平手打ちしたからだ。


パチンと痛そうな音が響くと、たちまちディアナ嬢の瞳には涙が溢れる。

信じられないと言いたげに、叩かれた頬に手を当てているところを見ると、普段のペラム伯爵はお転婆な彼女を甘やかし、きつく叱ったことがなかったのだろうと推測できた。

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