公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~

「俺の寝室に立ち入りを許可してやったのに、お前は最後まで一歩も足を踏み入れなかったな。ディアナ嬢はベッドの上にまでのったというのに、いいのか?」


私が企んだことに対し、『いいのか?』と聞く意味はなんだろう。

最初に私のヤキモチを指摘した彼だが、本当は『ヤキモチを焼いたらどうだ』と言いたいように聞こえて首をかしげる。


「妬いてほしかったの?」と問い返せば、「そうだな」と真顔であっさりと認められ、戸惑いながら目を瞬かせた。

途端に形のよい唇が、ニヤリと意地悪く吊り上がる。


「もっと俺を欲しがれ。舞踏会でむくれていたお前は、なかなか可愛かったぞ。今宵も存分に拗ねてみせろ」


一昨日の舞踏会では、ジェイル様を独占していたルイーザ嬢になぜか不愉快な思いがして、確かに苛ついていた。

彼はそれを嫉妬ゆえの態度だと言いたいようだが、違うわよ。

ゴラスを背負う私には、恋などしている余裕はないのだから。

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