公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
「ベッドの上にのるだけでは、満足できないということだな」
おそらく、わざと勝手な解釈をしてみせたジェイル様は、ベッドの脇に置かれているサイドテーブルに腕を伸ばす。
その引き出しから小さななにかを取り出した彼は、「これなら喜んでくれるか?」と、私の目の前につまんだガラスの小瓶を差し出した。
「これはなに?」
興味を示した私に、彼は答える代わりにコルクの栓を抜く。
すると、彼がいつもつけているバラの香りが、一際強く、辺りに漂った。
どうやらその中には、バラを精製して抽出したオイルが入っているらしい。
途端に気を緩めてしまい、「お前にもつけてやろう」という言葉に、目を輝かせた。
「嬉しいわ!」
素直に喜んだ直後にハッとする。
これでは彼の思う壺だと、慌てて笑みを消して澄まし顔を作ってみせたが、時既に遅し。
ジェイル様は声をあげて笑ってから、「可愛い女だ」と、私の頭をひと撫でした。