公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
そんなに真剣な目をして求婚しても、無駄よ。
腹黒い企みのすべてに、私は気づいているのだから。
今日、オズワルドさんと話したことで、点が線となり、話の辻褄が合った気がしていた。
「あなたは辺境伯領が欲しいのね。私を妻にしたがるのは、花嫁候補者たちにうんざりしているからでも、私に心惹かれているからでもないわ」
騙されないわよという強気な気持ちで、下から彼を睨め付けたが、心に隙間風が吹き抜けるような、寂しさに襲われるのはどういうことなのか。
もしや、彼に惹かれ始めているのでは……それをどうしても認めたくない私は、胸の下に溜まる服を引き上げ、隙間風が吹き込む心の穴を塞いだ。
すると真顔だった彼が、ニヤリと意地悪さを露わにして本性を見せる。
「察しがいいな」
その言葉は、私に愛情など抱くことはないと告げているようで、『やはりそうよね』と私は心に溜め息をつく。
私の上から下りた彼は、左隣に添い寝するように長身の体を横たえた。
肘をついた右腕に頭をのせ、左手は私が上げたばかりの服をまたずらして、遠慮なく胸に触れてくる。