公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~

晩餐会というものは、会食後の女性は別室でお茶を飲みながら歓談し、男性はここに残ってワインを飲み交わすものらしい。

そして一時間ほど後には再び男女が交ざり、広間でカードゲームや玉突き、劇団による寸劇などの余興を楽しむという流れになるそうだ。


王妃は二十七歳の見目麗しい淑女。

嗜み深く教養もありそうで、まさに王妃に相応しい女性に思える。

しかし気位が高そうな目をして、なんとなく裏がありそうな微笑み方をし、国王とは対照的に意地悪そうな印象を受けた。


金糸で刺繍を施されたワインレッドのドレスを纏う王妃は席から立ち上がる。

それを合図に、二十人ほどの女性貴族も立ち上がり、別室へと移動を始めた。

ぞろぞろと続く列の最後尾を歩く私は、晩餐室の両開きの扉を出ていく前に、肩越しにチラリとジェイル様に振り向いた。

すると彼も私を見ていて、『上手くやれよ』と言いたげに、その口の端はほんの僅かに吊り上っていた。

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