公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~

花は素直に綺麗だと感じるけれど、育成方法や温室について知りたいとまでは思わない。

権力争いに巻き込まれたくはないし、二度と王城に出入りするつもりもないのだから、誘われるほうが困るのだ。


「皆さん、お座りになって。紅茶を淹れさせますわ」


そう言った王妃は、ドアから最も離れた位置にある、ふたり掛けの長椅子の左側に腰かけた。

隣に座りなさいと、名を呼んでもらえるのは誰なのか……そのような婦人たちの緊張は、分かりやすく表情から読み取れる。

おそらく王妃に近い順に、力の序列ができあがるのだろう。


私は当然、会食同様、一番の末席だろうと思っていた。

そこになんの不満もなく、ただもったいぶらずに早く席を指定してほしいと思っていたら、「クレアさん、わたくしの隣にお座りになって」と王妃に指名されて目を瞬かせた。

他の婦人たちも一様に驚きを顔に浮かべる中で、言い間違いではないかと思い、「私でよろしいのですか?」と確認してみた。


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