公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
婦人たちのくだらない悪口は、かすり傷さえ私に与えない。
しかし私は両手で顔を覆い、泣いているように肩を震わせて見せた。
すると王妃が「クレアさん、どうなさったの? お帰りになりたいのでしたらお止めしなくてよ」と私を排除しようとしてきて、アクベス侯爵夫人が「それがいいですわ」と賛成する。
立ち上がった私は、耐えられなくなったふうを装い、顔を覆ったままで初めての反論をした。
「私は、皆さんの仰るようなふしだらな女ではありません! 私に触れていいのは、ジェイル様だけです。ジェイル様以外の殿方のベッドに上がったこともありませんわ!」
ジェイル様と体の関係があるようなことを言えば、アクベス家の利益にはならない。
娘の夫となろう相手が、娘以外の女性に執心しているという噂が広まれば、それは即ちルイーザ嬢の恥となる。
指の隙間から反応を窺うと、アクベス侯爵夫人が慌てた様子で立ち上がるのが見えた。
「皆さん、この娘は嘘を言っているのよ。どうか信じないでください。オルドリッジ公爵ほどの素晴らしい方が、子爵の娘を相手にするものですか!」