公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
その反応は、あまりにも私の予想通りのものだったので、思わず吹き出しそうになる。
それを堪えて泣き喚くような演技をし、悲痛な叫びをあげた。
「違いますわ! ジェイル様は私を抱きしめながら、身分など関係ないと仰いましたもの。もうすぐ正式に発表するとも言っておりました。私との結ーー」
“結婚”のふた文字を言わせまいと、「お黙りなさい!」という侯爵夫人の大声が響き渡る。
その顔は赤く染まり、歯を剥き出して、かなりの怒りの中にいるようだ。
一瞬、シンと静まり返った応接室は、すぐに隣同士でヒソヒソと囁き合う声が戻ってきた。
「オルドリッジ公爵は、クレアさんを妻にと考えていらっしゃるの?」
「それが本当なら、ルイーザさんのお立場がないですわね。あれだけ強気に結婚話を進めておりましたのに、子爵の娘に負けてしまうのですもの」
「わたくしたちは、クレアさんについた方がよろしいのかしら? もしかすると、今後の力関係は逆転するかもしれなくてよ」