公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~

『子爵程度の娘』の私と、侯爵令嬢のルイーザ嬢。

その大きな身分の開きによって自分の方が有利な立場にいるのだと、彼女は私を侮る。

腕組みをして、ツンと尖った鼻先を上向きに。

「身分違いを知りなさい」と、彼女はきつく言い放った。


その言葉も仕草も、なにもかもが想像していた通りの展開になり、我慢ができなくなった私はついに吹き出して笑ってしまった。

すると彼女の胡桃色の瞳が吊り上がる。

馬鹿にされたと捉え、高いプライドを傷つけられた彼女は、「なにがおかしいのよ!」と怒鳴りつけて、右手を振り上げた。

その手は私の頬を叩くことなく、私に手首を掴まれて宙で止められる。

笑うのをやめ、スッと笑みを消して見せると、彼女はビクリと肩を揺らした。


「な、なによ。この手を離しなさい。あなたよりわたくしの方が、ずっと身分がーー」

「同じよ。侯爵と辺境伯は同程度の爵位なのでしょう?」

「え……?」


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