公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~

そんな私を呼びに、舞台から降りてきたのはルイーザ嬢。

駆け寄ってきた彼女は、『なぜ皆と同じようにしないのよ』と文句を言いたげな顔をしつつも、「クレアさんもご遠慮なさらずに、わたくしたちと楽しみましょう」と上品に誘ってくる。


「いえ、私はーー」と断りを口にしかけると、手を引っ張られて強引に立たされた。

「劇団に協力して差し上げて。そうでないと、舞台が白けてしまいますわ」と嗜められ、それもそうだと思い直す。

いくら私が興味を持てずとも、役者は一生懸命に演じているし、婦人たちは心からそれを楽しんでいる。

私の非協力的な態度で、盛り上がりに水を差しては申し訳ない心持ちでいた。


ルイーザ嬢の後について、大人しく舞台に足をのせた。

舞台はそれほど広くない。

十人の役者に加えて、十数人の婦人が上がれば、歩ける隙間などないほどだ。

舞台袖では劇団員が弦楽三重奏を奏でだし、祝いの舞踏曲が流れ始めた。

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