公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
芝居を壊したのが私だけなら、王妃はきっと簡単には許さなかったと思われるが、ルイーザ嬢も、そしてなにより国王の政務を補佐しているジェイル様が騒動の中にいたということで、渋々怒りを収めてくれた。
「分かりました」とジェイル様に言い、「今後は皆様の楽しい時間を邪魔しないよう、お願いいたしますわ」と注意を付け足す。
「はい。ご忠告、胸に刻みます。つきましては王妃殿下、ひと部屋を拝借したいのですが、よろしいですか? 邪魔にならぬよう、御令嬢方をお連れして別室にて話し合いたいのです。アクベス侯爵ご夫妻も同席のもとで」
「よろしいですわ。今、執事に応接室を用意させます」
ここで話し合われては、また私たちが喧嘩を始めると危惧したためか、王妃はすぐに許可してくれた。
しかし、「お待ちください」と、舞台下からそれを阻止しようとする声が聞こえる。
それまで警戒しながらも成り行きを見守るだけだった、アクベス侯爵だ。