公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~

それによると、ゲルディバラ伯爵は近日中に王都に呼びつけられることになるらしい。

ゴラスは遠く離れた北の僻地にあり、農地からの収益は少なく、他貴族に比べるとゲルディバラ伯爵の財力と権力は弱い。

領地を奪われることを恐れる伯爵は、滅多なことがない限り、領地から出ようとしない。

王都に町屋敷も持たず、他貴族との交流も乏しいそうだ。

そんな伯爵が王都に呼ばれ、有力貴族たちに囲まれて、連名のサインが入った要望書を手渡されることになる。


他の領地の政には不干渉であることが、貴族たちの暗黙のルールであり、かつゲルディバラ伯爵に突きつけられるものは命令ではなく、要望書。

拒否することも可能である。

しかし複数の獅子に囲まれては、猫は首を縦に振るしかないだろう。

万が一、改善要求に応じないことがあれば、国王を説き伏せ、今度は国王の名で改善命令を下してやると、ジェイル様は頼もしく話してくれた。

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