公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
取り出されたのは両手の手の平にちょうど収まるくらいの大きさの、長方形の紙箱。
白い箱には赤いリボンが結ばれている。
受け取ると、見た目よりも随分と重たく、なにが入っているのかと不思議に思った。
疑問はもうひとつ。
「オズワルドさんが、私に贈り物をくれるんですか?」と問うと、「まさか」と失笑される。
「じゃあ、これはジェイル様から……」
鼻にツンと込み上げるものに堪えて、箱を膝に置き、リボンの端に指をかけた。
しかし解くのを止められる。
「『帰り着いてから開けろ』とのことです」
「分かりました」
理由は分からなくても、ジェイル様がそうしろと言うのなら、それに従うのみ。
本当は今すぐに中身を確かめたいけれど、その気持ちを抑えてリボンから手を離した。
すると小さな溜め息をついたオズワルドさんが、愚痴をこぼす。
「私としては、それを渡したくなかったのですが……仕方ありません。当主の命令には従います。たとえそれが、オルドリッジ家のためにならないことだと分かっていても」