公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
手からじゃがいもが滑り落ち、足元に転がった。
そう言えば、ジェイル様がこんなことを言っていた。
『約束事の履行と維持を確認するために、半年に一度の視察を受け入れることも要望に含まれている』
それを忘れていたわけではないけれど、色々と考えることが多過ぎて、記憶の片隅に眠らせたままになっていた。
もしかして、視察団とは、ジェイル様の一行かしら。
前回はジェイル様が視察に来た。
国王の勅令でということになってはいたが、政務はジェイル様が補佐をしていたことでもあるし、きっと彼の考えで決めたことだったのだろう。
だとしたら、今回もジェイル様が来るのではないかしら。
私の様子を見るという目的も兼ねて。
別れ際のオズワルドさんの言葉も思い出す。
『言いたいことがありすぎて、言葉にならないのでしたら、よく考えて整理し、まとめておいてください』
おかしなことを言うと思ったが、もしや視察で会えるという意味で言ったのではないだろうか……きっとそうよ。