公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
「会いたい……」
呻くように泣く私の背後に、ドアが軋む音がした。
その小さな音に肩をビクつかせて振り向いたが、誰が入ってくることもなく、変わらずドアは閉じたまま。
気のせいみたい……。
恐れたのは、この苦しい胸の内をドリスに知られることだ。
心配させてはいけない。
今夜は泣き明かしても、明日の朝には笑顔でいないと。
その思いもまた、少なからず私の心を疲弊させる原因となっていた。