公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
私の容姿に惹かれてくれないのなら、女の色気を新たな武器にすることを思いついて、この計画を企てた。
しかし、色気という武器をこれまで使ったことがないので、これで正解なのかは分からない。
彼の頬を指先で撫でてみる。
甘ったるい声で「欲しいでしょう?」と誘い、出来得る限りの色気を出そうと試みている私だが、彼の反応は期待するものと違っていた。
顔を赤らめるのでもなく、舌舐めずりするのでもなく、声をあげて愉快そうに笑ったのだ。
「そういえば、ゴラスの兵士に襲われているところを助けてやった後、お前は聞いたな。俺ならゴラスを救えるのか?と。
読めたぞ。俺の心を奪って操り、ゴラスの政治に介入させようとしているのだな?」
この人……賢いわ。
企みのすべてを教えてはいないというのに、私の最終的な狙いを言い当てられた。
作り笑顔を消して、彼の首に回しかけていた腕も外し、私はどうしようかと考える。