公爵様の最愛なる悪役花嫁~旦那様の溺愛から逃げられません~
ゴラスに干渉することは、彼にとって利のないことだから、私にのめり込ませるまでは打ち明けないでおこうと思っていた。
警戒されないために。
台本通りにはいかないわね……。
琥珀色の瞳を見ながら頭の中で計画を練り直そうとしていたら、ジェイル様がニヤリと笑い、私の腕を掴んだ。
その腕を引っ張るようにして歩き出した彼は、部屋の奥の長椅子まで移動する。
座って話そうというのかと思いきや、そうではないようだ。
彼は足を投げ出し、くつろいだ姿勢で長椅子を独占すると、私を目の前に立たせて麗しい唇の端に悪意のある笑みを浮かべた。
「脱げよ」
「下着になれというの?」
「いや、裸になれ。俺を落としたいんだろ?」
その言葉に私は僅かに目を見開く。
なんとしても彼の心を掴まねばならないのだから、色仕掛けの結果として、ここで破瓜を迎えることも覚悟していた。
それでも『脱げ』と命令されるとは、予想外だ。
男が女の衣服を脱がせ、女はされるがままでいいと思っていたけど、違うのかしら。
世間一般の情事のあり方を知らないので、これについても正誤が判断できなかった。